どうも、はじめまして。現役介護福祉士のtakezoです。
私は営業職から介護業界へ転職し現在15年目です。
医療器販売の営業、介護老人保健施設、有料老人ホームといったこれまでの経験をもとに介護を中心とした情報を発信しています。
宜しくお願いいたします。
それでは本題です。
介護現場では
転倒や転落などの事故に遭遇することがあります。
「どこからが事故なの?」
「報告書の必要性は?」
「書き方が分からない」
と悩まれている介護士さんも多いかと思います。
今回はそんな悩みを解決するために
『事故報告書の書き方のコツ』
について解説します。
Contents
なぜ介護現場で事故報告書が必要なのか?
日々介護現場で働いていると
転倒転落、誤薬、異食などの事故に遭遇することがあります。
事故の中には全く防げない事故もあれば
事前に対策をしていれば防げた事故などがあり様々です。
事故が発生すれば必ず事故報告書を書かなければいけません。
まずはじめに事故報告書の必要性について
介護保険事業所は介護保険法における「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の第37条の定めにより、感染症の事故などが発生した場合、市町村に報告する義務がある。
とされています。
要は重要又は重大な事故が発生した場合は
隠さずに報告を行い対策を行ってくださいよ!
というコトですね。
そして介護施設など事業所が事故報告書を書く目的としては
①事故原因を分析して、予防策を考える
…ご利用者が転倒してしまった場合に、どういった原因で転倒をしたのか?椅子などに引っ掛かり転倒したのか?下肢筋力の低下が原因なのか?認知機能面の低下が原因か?などのあらゆる原因を分析・追求し、どうすれば今後同様の事故を予防できるのかといった対策を導きだし、同様の事故防止に努めなければなりません。
②事故に関する証拠となる…
介護現場で起きた事故はご利用者のご家族や市町村に報告する必要があり、その証拠が必要となるわけです。どのような状況で事故が起きたのか?事故後どのような処置を行いその後の経過はどうだったのか?などについて記録を残す必要があります。その報告書(記録)がなければ、しっかりとした対応が行えていたとしても隠ぺいを疑われたり、事業所としての管理が不十分であるとみなされてしまいます。ご利用者を守るだけでなく、自分たち介護士の立場を守る意味でも介護現場での事故報告書は証拠としても必要である
ということであり
要するに介護現場で事故が発生した時には、介護保険法で定められていて報告書をあげる義務があり、証拠としても記録として残して、ご利用者が安全安心に暮らしていけるよう事故予防・改善に取り組まなければいけないというわけです。
では実際に介護現場における事故にはどんな内容があるのか
見てみましょう。
介護現場における事故の種類
①転倒・転落
介護現場での事故と聞いて、1番に想像をするのが「転倒・転落」では無いでしょうか?
高齢者の方は若い人に比べて足の筋肉などADL(日常生活動作)が低下しています。筋肉面だけでなく、視力であったり聴力であったり他機能も加齢とともに低下してきますので、転倒・転落リスクが非常に高いです。
転倒によって頭部を殴打してしまったり、一人で歩けていたりしていた方が転倒によって骨折し車いす生活になってしまうと言った事例も少なくないです。
転落とは、車いすやベッドからずり落ちてしまったり、移乗時に誤って床に落下してしまうことを言います。
②誤食(異食)・誤飲
認知症があるご利用者に時々みられるのが誤食(異食)という行為です。
テーブルに置いてあるティッシュペーパーや工作用のスティックのりなど、食べてはいけないモノを口に入れてしまう行為を誤食(異食)行為といいます。
認知症の症状があると、食べてはいけないという判断ができずに食べてはいけないモノを食べてしまいます。内容物によっては体に害があったり、喉に入って窒息してしまうリスクがあるため危険な事故です。
③離設
離設とは、ご利用者が住んでいる施設から出てしまい施設から離れてしまうことの行為です。これは認知症があって、帰宅願望があり施設から本来の自宅を探して出ていこうとされたり、認知症がなくても何かしらの理由で施設から離れようとする意図があり発生してしまいます。
スタッフも見守りを行っていますが、多忙の中常にすべてのご利用者を見守りが出来るわけでもないので、稀にではありますがそういった離設という事故が発生してしまいます。
離設の危険なところは、交通事故に合ってしまったり、行方不明になったりと重大事故に繋がりかねないということです。
④誤薬
誤薬とは他者の薬を誤って服用させてしまったり、その時間とは違うお薬を服用させてしまったりという事故です。
薬によっては血圧を下げる薬であったり、糖尿病のお薬であったりと、命に関する薬があるので特に注意が必要です。
また、人為的ミスで起こってしまう事故であるため、よりスタッフには薬に関する誤薬事故は気をつけなければなりません。
⑤外傷・皮膚剥離など
高齢者で多いのが、皮膚にできたりする内出血などです。知らない間に内出血ができており、入浴時服を脱いで気が付くなんてことも多いです。その他にも皮膚の剥離であったりと様々ですが、スタッフは発見すると適宜事故報告として記録をする必要があります。
移乗中にぶつけてしまった可能性や、本人が一人でいるときにぶつけてしまったりと色々と可能性が考えられるため、予測をしながら対応策を考える必要があります。
どういった事故があるか知った上で
次に何に気をつけて事故報告書を書けばいいのか?
事故報告書の書き方のコツについて紹介をします。
事故報告書の書き方のコツ
①報告書に記入すべき項目を頭にいれておく
介護現場で使用する事故報告書の記入内容は項目が決められており、施設によって書類があります
例えば
発生時間・ご利用者情報・事故の種類・発生場所・事故状況・事故後の対応・外傷等の有無・家族連絡内容・原因分析と対策
などといった必ず記入しなければならない内容があります。
これらを常に頭に入れておき
いざ事故が発生したときに
「時間は?」「看護師への連絡は?」「どういった外傷(傷など)があったか?」「どんな体勢を発見したのか?」
などを記憶またはメモをしておく必要があります。
事故が発生した時には気が動転してしまう事があります。
常に冷静さを保ち
いつ事故が発生しても客観視ができるようにしていきたいものですね。
⑤5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識する
では実際に事故報告書を書く際に何に気をつけるのか?
事故報告書は、報告書として誰が見ても分かるように書き
原因や対応策もスタッフ全員が共有できて実施できる内容でなければば意味がありません。
それを頭に入れた上で、まず基本のきほんである【5W1H】を意識しましょう。
例えば
『13時50分、1010号室からドシンという音がしたため駆け付けると、居室トイレ内で車いすと便器の間で床に長坐位の状態の本氏を発見する。車いすのブレーキはかかっておらず、意識は清明。本氏に「どうされましたか?」と聞くと、「トイレが終わって車いすに移ろうとしたら尻餅をついてしまった」と返答される。直ぐに日勤看護師に報告を行う。日勤看護師到着後、意識や痛みの確認のうえ2人移乗にて車いすへ移乗を行う。外傷の確認を行い、左臀部に2×2cm大の発赤を確認する。痛みはなく立位も安定している。』
といった内容です。
なぜ?といった部分が難しいかもしれませんが、
原因が予測できるように「ブレーキがかかっていなかった」ことなど、
なぜ?がわかるような内容を詳細に記入するといいですよ。
事故報告書とは客観的に誰がみても分かるように書く必要がありますので、
書いた際には全く知らない状態と仮定し読み返しましょう。
事故には
ご利用者の行動(認知面や性格面またはADLによる行動)が起因するものや、
環境面(椅子が出しっぱなし、居室内に不要な物品が多すぎるなど)が起因するもの、
はたまたスタッフの業務的な問題(人員の不足、介護士の技術不足など)が起因するもの
など様々です。
同様の事故が再度発生しないように対応策を練れるように環境因子を特定し、
改善ができるようにします。
長々書く必要は無いですが、
詳細が分かるように要点を見極めて分かり易く記入するよう心がけましょう。
どうしても起きてしまう事故もある
これまで事故報告書について解説をしてきましたが、
自分を含めて介護士さんに知っておいてほしいことがあります。
それは
防ぎようのない事故もあるとうことです。
例えば自分で動かれるかたで精神的にも体力的にも自立されている
その方が転倒してしまったとします。
それは防ぎようがない起きてしまった事故なのです。
今後のリスクについて皆で周知し対策を練ることは必要なことですが、
発見した当事者が責任を感じすぎる必要はないということです。
ご利用者が動きたいと思っているのに行動を抑制することも良くないことだと思いますし、
ある程度動かれる方が動いて転倒してしまう事は致し方ないこともあります。
その際には事前にそういったリスクはあるということをご家族または本人様にも伝えおく必要があるとは思います。
さいごに
事故報告書は皆が出来るだけ、起こしたくない書きたくないというのは本音だと思います。
これからも出来るだけ良い環境で、ご利用者も介護士の方も健康に生きていけるように
適度に頑張りましょう。
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では、これからも適度に楽しく頑張りましょう。